前編は以下のとおり
借金で嫁を社長に一日抱かせることに
借金で嫁を社長に一日抱かせることに 続編
借金で嫁を社長に一日抱かせることに 続続編

最初はこうだったらしい。
ホテル入って部屋で酒ひっかけて会話して、
シャワーを別々に浴びたあと、さっと化粧をし直し。
マッサージをしてあげると言われて、そのまま横になった。
当然、マッサージが愛撫に変わっていったと。
他人の嫁使って性感ごっこですよ、あのソープ狂い。
社長、これにたっぷり時間をかけたらしい。
嫁曰く「マッサージはよかった」けど、
「エッチな部分はもどかしい触り方」。
「良かったんだ」
「ダメだって思ったけど、展開が予想と全然違ってて戸惑った」
「どう違ってた?」
「予想はガバッてきて、ガツガツって感じ。それがアレ?って」
「嫌悪感は?」
「最初はすごかった」
「罪悪感は?」
「あったよ。ずっとあった」
「あったのに本気になった?」
「怒るよ。そこまで感じてない」
たっぷりマッサージが何分かはわかんなかった。この時点では。
その他、嫁の報告は、以下のとおり。
「ホテルの部屋が高そうで驚いた」
「キスはNGだけど唇以外はOKだね、と押し切られた」
「乱暴なのも覚悟してたけど、激しいセックスは一切なかった」
「途中からは、思ったよりイヤじゃなくなった。我慢できると思った」
「やらしーこといっぱい言われた」
「求められて、相手が喜びそうなことを仕方なく言った」
「マッサージからはじまったので、成り行きで明るい部屋ですることになった」
「灯りを消してといっても、聞き入れてくれなかった」
灯りの話はムカムカきた。NG破りじゃねーか。
彼女は、基本的に「イッたふり」をしたが、
「指でしつこくされた時だけ、我慢できなかった」
イカされた話には、さすがに打ちのめされた。
ショックだったけど、正直に言ってくれたのと、
ヤローの男根で昇りつめたわけではないという点で救われた
と思い込むようにした。
社長の「DSはフツーだった」。
「大きい」と言ったら「喜んでた」。
どうでもいい話だが、彼女はチンコのことを
ダーク・シュナイダー、略してDSと表現する。
あと、初めて社長が中に入ってきたとき、
「入ったのわかる?」みたいなことを耳元で呟いたらしい。
お前を征服したぞ、ってことだよな。
何度か泣きそうになったけど、嫁はこの時が一番泣きが入ったと言ってた。
行為は、ほとんど「正常位」。
たまに上になったり、変なかっこうもあったが、
自分がいやがることはしなかった。
自分から腰をつかった?という問いには、
「そうした方が相手に納得して帰ってもらえると思ったから」
他人の手から俺の手に戻った嫁は、
いつもより素直に俺の要求に応えてくれた。
「許して。Sちゃんが一番だよ。本当だよ」
俺に抱かれながら何度も繰り返した。
嫁が「Sを裏切ったんだから、今日は好きにして」
「いじめてもいいよ」と言った時は、すっげー燃えた。
俺も何度も「アイツより良い」と言わせて溜飲を下げた。
「壊れちゃう」というくらい激しくしたが、
「アイツの指でイッたくせに」というと、涙目になって耐えてた。
その様子見て、俺も自己嫌悪。
嫁が疲れて爆睡したので、俺は借金のお礼と好奇心を抑えきれず、
社長に電話した。
嫉妬心は燃え盛っているが、土産をゴミ箱にぶち込んだときほど怒ってなかった。
不思議だね。嫁取り戻して少し毒が抜けたのかもしれない。
型通りの挨拶と金の話をした。
本当はもっと別のことを聞きたかったのだが。
もちろん、嫁がどんな感じでどの程度乱れたのか、聞きたかった。
しかし、この時はヘタレて聞けずじまい。
翌日も嫁に話を聞きたかったんだが、変なこと言って傷つけてもアレだし、
うまいこと聞き出せない。
互いに腫れ物に触るような会話になってしまう。
とにかく、いつもの自分たちに戻るのが先決だと思い、それだけに集中した。
やがて嫁は、表面上はいつもの彼女に戻った。
たぶん、俺より早く日常に戻ったように思う。
俺はもう、我慢した嫁が愛おしくて愛おしくて、
前以上に彼女を守ってやろうという気持ちになったし、逆に甘えもした。
他の男に抱かれた件は、いっそ忘れてしまおうと思った。
二人の間から、二週間ほどで忌まわしい話題が消えた。
今も夫婦間のタブーである。
でも、忘れられるわけがない。
逡巡した挙句、社長にまた電話してしまった。
俺は根掘り葉掘り聞いた。
嫁が真実どうだったのか。
どんな声で鳴いたのか。どこまで許したのか。本当にイッたのか。
曖昧な部分を、確実な事実にしたかった。
どうも、嫁との間で取り決めがあるようで、社長の口は重かった。
隠さなければならないことがあるってことかと、なおさら気になった。
何度も電話して、電話の前で頭さげまくって、
報告書を書いてもらう約束をした。
後悔も恨みもない。ある意味感謝しているから、
嫁に内緒で本当のことを知りたい。
包み隠さず、全部話してください、と。
正直に、嫁が他人に抱かれた事実に興奮していることを告げた。
「そこまでいうなら」
社長が折れて、詳細はメールを送るからということになったのだが、
「俺もお前に嫉妬心みたいなのがある。
遠慮しないでありのままを書くが、いいのか?」
そのうえ、「あと2~3回貸してくれたら、調教できると思う」
と言われた。何だよ、調教って。(次回へ続く)