前編は以下のとおり
もうすぐ結婚する同僚の女

俺はY子を抱きしめた。Y子も背中に腕を回してくる。
Y子の顎を持ち上げ、顔を寄せる。目を閉じたY子にキスをした。最初は軽く、唇でポッテリした唇を感触を確かめる。柔らかい。
Y子の上唇と下唇を交互に唇の表面でそっと擦り合わせるようにして、上唇を唇で挟むようにして一旦離す。
次に唇の端から端までを、唇でなぞるようにして、また一旦離れる。
Y子の髪をかき上げた。いい匂いがする。目を開けたY子と目があった。ちょっと照れくさそうに微笑む。
コツンと額を押し付け合い、くすっと笑い合う。その額にも軽くキスをした。頬の方にも軽くキスをし、また唇を重ねる。
表面を滑らせるように触れあわせ、舌先でちょっと舐めてみる。
Y子の息が少し乱れる。舌先で唇の表面を撫でるようにすると、Y子の唇が少し開いた。
そっと舌を差し入れる。Y子は唇を開いて迎え入れてくれた。
舌先でY子の舌先に触れ、軽くくすぐった。Y子の舌もそれに応えてきた。舌を回して舌の表面と裏側を探るように動かすと、Y子は唇の間からため息を漏らす。
舌を絡ませながら、ベッドに腰を下ろし、そのままそっと押し倒す。
舌でY子の舌の裏側や、歯の裏側をそっとくすぐるように刺激した。Y子の呼吸が速くなる。唇を離し、耳元に息を吹きかけるように、キスをする。
「あ…」Y子は小さく声を上げた。
可愛い声だ。この声を電話で聞くの、好きだったな。
Y子の体の上にのしかかって進めようとすると、
「あ…待って」「ん?」
「シャワー浴びさせて…」
このまま続けたかったが、まあ女の子としてはそうしたいよな。
「いいよ」もう一度軽くキスをしてから、俺は上体を起こした。
Y子も上体を起こし、両頬を両手で挟むようしながら、息を整えた。
「ふぅ…」 バッグから携帯用のブラシを取り出し、乱れた髪を整え始める。
「一緒に入ろうか?」
「ええ、やだよ。恥ずかしいもん」
「駄目かあ、時間節約になるんだけど」
「何の時間よ」
「Y子とエッチするまでの時間」
「もお!」
「一晩一緒には居られないだろ?」
「それは、そうだけど」
「少しでも一緒にいたいんだよ」
「もう、F君も口が上手かったけど、R君も相当だよね」
「Fは口が上手いけど、Kちゃんには告れなかったんだよな」
「だね、好きな子には慎重になるからかな?」
「俺も…そうだったんかな」
「……今はこれだけ色々言ってるのにね」
「んー…」Y子はクスリと笑う。
髪をとき終えると、肩下までの髪を慣れた手つきでまとめ上げる。
耳とうなじがあらわになり、それだけでずいぶん印象がかわる。なんだか一気に艶っぽくなった。ピンを何本か使い、髪を留めていく。
「ほんと、しょうがない男どもだ」
「だよな。で、一緒に入る?」
「まだ言ってる」
「あまり遅くまでいられないだろ、一緒に入ろうよ」
「余計に時間かかりそうな気がするけど」
またバッグから今度は大きめの髪留めを取り出し、パチンと音を立てて、髪の後ろ側を留めた。
Y子は立ち上がって、俺の顔を見た。
「駄目かなあ…?」
はーっとY子は大げさにため息をつき、
「しょうがないなあ、もう…」
「いいんだ?」
Y子は苦笑しながら、「じゃ、ちょっと手伝って」
そういうと俺に背を向け、背中を後ろ手に指さした。
背中のジッパーを引き下ろす。Y子は足下にフォーマルドレスを落とし、パンストを足から抜くとキャミソールも脱いだ。
いざとなると、俺はなんだか恥ずかしくなってしまったが、こういうとき女のほうが思い切りがいいもんだ。
Y子はさっさとブラを取ると、ショーツも脱ぎ捨てた。背を向けていたが、形のいい尻はしっかり見えた。
Y子は振り返りもせずに、浴室へ入っていった。俺も慌てて、全裸になり、後を追う。 (次回へ続く)