当時私はコンサルティング会社に勤めていた。
入社4年目の私は小さい仕事のリーダーを任されるようになった頃だった。アヤは私よりも3年遅く入社してきた。
コンサルティング会社に入る女性には何故か気が強い女性が多い。実力次第で男と対等な立場になれる事がそうさせるのかもしれない。
アヤも例外ではなく見るからに気が強そうであった。いつも大またで歩き、アゴは少し引き、若干上目遣いで歩く彼女には自信がみなぎり近寄りがたい雰囲気が漂っていた。
しかし長身で細身なスタイルと派手な顔立ちに普通の男ならつい意識してしまうはずだ。
それから一年が経つ頃、アヤは私のプロジェクトにアサインされた。私の会社はコンサルティング会社にしては珍しく社員全員に机が与えられていた。
アヤは私の隣の空席を使うことになった。私は内心喜んだがコンサルティング会社の業務は常に多忙で業務外のおしゃべりを楽しむ余裕はあまり無かった。
しかしやがて、彼女は私を親しい先輩として頼ってくるようになった。それでもあくまでも仕事の話で私は彼女のフォローをしているにすぎなかった。
私は密かに彼女と体を重ねる事を夢に見ていたが到底かなわぬ夢に思えた。
アヤは私に用があると椅子に座ったまま両足を使って移動し、私のそばに来た。両足を使って椅子を漕ぐという表現が正しいかもしれない。
アヤは短いスカートと高いヒールの靴を頻繁に組み合わせていた。アヤはストッキングを着けなかったので、彼女が椅子を漕ぐたびにスカートの中が見えた。
それは仕事に打ち込む私へのご褒美のようであった。秘密のご褒美であった。
私はその秘密を彼女に気付かれないように視界の端でスカートの中を覗くことを常に心がけていた。そしてそれはどうやら成功し、私は秘密のご褒美にしばしばありつくことができた。
私はアヤのパンティーの色には詳しいがプライベートな話はあまりしない、という妙な関係であった。
相変わらず彼女と体を重ねるという夢は到底かなわぬ夢に思えていた。
転機が訪れたのはそれから数ヶ月が経ったころだった。新しくアサインされてきた他の会社のメンバーと彼女は馬が合わなかった。
そのプロジェクトは何社か共同で進めているプロジェクトであった。何度かアヤから「ちょっと時間をいただけますか」と言われ、彼女の悩みを聞いた。
私はいつもひたすらアヤの言い分を黙って聞き、そして頷き、時折彼女を励ました。
私は常に彼女の味方ではあったが実際、アヤは悪くなかった。しかし会社間のシガラミなどが事態の解決を難しくしていた。
そこで私はアヤを気晴らしに食事に誘う事にした。一週間後に迫っていた彼女の誕生日に合わせ、私は青山の店を予約した。
アヤには彼氏がいるらしいのだが誕生日の夜を私と食事しても構わないという。平日の夜はアヤと彼氏の双方が忙しくなかなか会えないでいる、との事であった。
アヤの誕生日の当日、私とアヤは定時過ぎに会社を出た。そして地下鉄に乗り青山に向かった。
予約していた店は私が気に入っている店だがそんなに早い時間に使うのは初めてであった。まだすいている店内が新鮮だった。
店中にはジャズが流れていた。ジャズは私とアヤがいる個室にも流れていた。私はワインが好きであった。アヤも嫌いではないようなので店に適当なワインを選んでもらった。
選んだもらったワインは私とアヤの口に合い、酒は進んだ。
仕事の愚痴を聞こうと思っていたが、その話題にはあまり触れず、社内の尊敬すべき先輩の話、変わり者の後輩の話をしているうちにワインは二本空いた。
どれほどの時間が過ぎたかわからないが、その店のメニューにも飽きたので別の店に移動することにした。
次の店も私に任せるとのことなので、次は渋谷の店に行く事にした。店を出るとタクシーを捜した。
渋谷に向かうためには骨董通りを渡って道路の反対側から乗車する必要があった。
私は一見自然に彼女の腰に手を回しリードした。私は酔っていた。そしてアヤもまた酔っていた。
彼女は嫌がる素振りを見せず私は彼女の腰に手を回す感触を楽しみながら、道路を横断するためたったの数メートルを歩いた。
すぐにタクシーは捕まった。彼女を奥にやり、私は手前の席に座った。そして運転手に渋谷までと告げた。
アヤは酔いのせいか耳がピンクになっていた。私はアヤの耳元で「大丈夫?」とささやいた。
アヤは「すみませんワインがおいしくて調子に乗っちゃいました」と言った。私は「良いんじゃない?」と言いながらアヤの左手と私の右手をつないだ。
アヤの手のひらが一瞬で湿ったのが判った。驚いたのであろう。
しかし拒絶する意思はなかった。私は左手の人差し指の先でアヤの左足の膝をちょっと触った。今日もストッキングは着けてなかった。
そしてそのままスカートまで5センチほどスライドし、そこで指を止めた。アヤはずっと無言であった。
私はその指を足の内側に移動させた。彼女の耳はすでにピンクではなく赤になっていた。
私は唇で彼女の耳を挟んでそのまま彼女のうなじに軽くキスをした。アヤは目を閉じていた。目を閉じて、そしてやはり無言であった。
私は左手の指を内モモから一気にスカートの中に移動させた。スカートの中の行き止まりはすでに軽く湿っていた。
その素材はシルクかサテンのようなツルツルした素材であった。私の好みの手触りであった。しかし素材の感触を楽しむのは後回しにして、私は素材の中の秘部に指を入れることにした。
私好みの手触りの素材を指でそっとずらすと、秘部は抵抗なく私の指を受け入れた。
私の夢の階段を一足飛びに上っているところであったが、私は意外に冷静であった。
私は数回指を出し入れした。多少掻きだすように出し入れした。アヤはまだ目をつぶっていた。
私は繋いでいた右手をほどき、彼女の頭の後ろに手を回し、向こう側のほうを手前に押して、顔をこちらに向けた。そして私の唇をそこに重ねた。
アヤは静かに深く鼻から息を吸い、そしてぎこちなく息を吐いた。アヤは途中一度目を開けたが私が微笑むとまた目を閉じた。
私は運転手に行き先を変更し、ホテル街に行くよう小声で告げた。アヤが突然「ふっ」と小さく笑った。
私はびっくりして彼女の顔を見ると彼女は悪戯っぽい目でこちらを見ていた。私は今日の成功を確信した。 (次回へ続く)