前編は以下のとおり
元カノは特異な性癖を持っていた
元カノは特異な性癖を持っていた 続編

そしてある日のこと、同じ公園に来ていつものように場所探しをしながらゆっくりと歩道を歩いていると、後ろから小声で話しかけられた。
「こんばんは、あのー、ちょっといいですか?」
M和と同時に振り向くと、カップルが「あ、どうも」と、軽く会釈をして立っている。男性は50半ばだろうか、小柄で長めの白髪混じりのオールバック。
凛とした姿が金持ちそうな印象を受けた。対して女性は長身で髪が長く、派手な濃い目の化粧。短いタイトスカートにハイヒールを履いている。一体誰だがわからないが、なかなかの美人である。
「は、はい」
私の返事に中年男性は話しだした。
「いきなり呼び止めてしまい申し訳ありません。実は同じ趣味というか、興味をお持ちの方を探していまして、声をかけてみたんです。ここよく来てますよね?」
どうやら私とM和の存在を知っているようなので、軽く頷いてみる。
「そうですよね、何度か見かけたことがあるんですよ。よろしければ駐車場に私の車がありますので、そこでスワッピングはいかがと思いまして。もちろん無理は言いませんが」
「………」
『なに言ってんだこの人』と思いながら無言の間があくと、男性が苦笑混じりに口を開いた。
「ははは、いいんですいいんです。いきなりこんなこと言われても困りますよね。呼び止めてしまいすいません」
「いえいえ、そんな気にしないでください」
私は丁寧な口調で男性へ返し、M和に視線を送った。するとM和は何か訴えかけるような目をしながら、私の腕を掴み揺さぶってくる。
「えっ!?いいの?」うんと頷くM和の姿を見て男性は「それはよかった、では参りましょう」と4人は駐車場へ向かった。
ちなみにスワッピングとは、セックスのパートナーそれぞれ変えること。さすがの初体験に緊張が走るが、M和にとっては思いも寄らないサプライズに、ワクワクしているのが表情でわかる。
これは、上映開始日を待ちに待った映画が始まる瞬間と同じ顔だ。
「その黒い車がそうです。中、少し温めましょう」
エンジンスターターのリモコンを操作すると、ハザードランプが数回点滅してエンジンがかかった音がする。私達の車とはさほど離れていない、ほんの10メートルほどだ。
セダンとは比べ物にならないほど真っ黒い大きなバンの後ろと前には、ベンツのマークが銀色に輝いている。ドラマの撮影などに使われるロケ車なみの大きさには、ただただ見入ってしまう。
「さあ、中へどうぞ」男性はスライドドアを開けると、先に私とM和が入った。
「うわー、すごいですね、こんなに広いんだ。車とは思えませんよ」
「ははは、そこで靴を脱いで、どうぞ奥のソファーに掛けてください」
シンプルながらも華麗な車内はワインレッドを主体にした色合いに、キングサイズより遥かに大きなマットには清潔感のあるベージュのシーツが敷かれ、奥にはソファー、天井には小さなシャンデリアがキラキラしている。
ソファーに腰を掛けるも、思わず無言のまま車内をぐるりと見渡してしまう。
「どうぞ、楽にしてください。何か飲みましょうか」
気付かなかったが、ソファーの横にある四角い箱は冷蔵庫で、男性は開けながら午後の紅茶を取り出した。
「紅茶でいいですかね?」
「あ、はい。もちろんいいですよ。ありがとうございます」
私とM和はお礼を言いながら受け取り、初対面らしい当たり障りのない話をしながら紅茶をいただき一息ついた。
「ところで、お2人はここ以外にも行かれるんですか?」
言葉を発しなかった女性が、紅茶を飲みながら初めて口にした。
ちょっと低めのセクシーボイスは見かけからの想像した通り。
「そうですね、行ったことはありますけど、ここが多いですね。ここ以外だとどこへ行くんですか?」
「西湘の公園へ行くことが多いですけど、あんまりこっち方面は来ないんですよね」
「たしかに西湘の公園からだと遠いですからね、こっちは」
「西湘の公園はですね、それが最近パートナーを探そうとしても、すでにご一緒している人が多いもので…。それでこっち方面に来てみたんですよ。そうですね、時間があるときは遠出して静岡の方まで行くこともありますしね。なんせ遠出するにも行きはやる気満々だけど、帰りがねー」
男性はちょっとした下ネタを交えながら照れくさそうに話すと、車内は軽く笑いが起き和やかな雰囲気になった。
「この車はですね、防音になってますし、外からは絶対に見えないようになっていますので心配いりませんよ。まあ、固いことは抜きにして楽しみましょう」
男性は飲みかけの紅茶をソファー横に置き、ラルフローレンのロゴが入った白いシャツを脱ぎTシャツ姿になると、女性も黒の大きくブランドのロゴが入ったTシャツを脱ぎ、濃い紫色のブラが現れた。
Tシャツの上からでも膨らみがはっきりとわかり、ブラ姿になると巨乳と言わんばかりの吸い込まれそうな谷間が目を引いた。
そんな2人の脱ぎっぷりを見ていると、私とM和は顔を合わせ、うんと頷くと上半身の服を脱ぎ、M和は白いブラ姿になる。
野外セックスでは、辺りが暗いせいかいつも明るめの下着をつける。M和にとってはちょっとしたこだわりなのだろうか。
「こっちにどうぞ」マットに座る女性が私を見ながらニコリとした表情で言うと、M和もソファーから男性隣に移動し、4人揃ってマット上で全裸になった。
「舐めてもいいですか?」
「もちろんいいですよ。お願いします」
「ははは、そんな『お願いします』なんてやめてください。なんか変ですよ」
「すいません、お願いしますは変ですね。オレなに言ってんだろう…」
私は照れ臭い表情をしながらも仰向けになり、女性のフェラチオの気持ち良さにそれはたちまち強固になった。(次回へ続く)
(投稿者 カベルネ・大助)