去年の話です。
何もない私たちの町でドラマ撮影が行われることになった。
前クール、主役は超有名な国民的女優。
何日も前から子供のように生で会えると楽しみにしていた我々。
いざ当日を迎えた。
「お世話になります、よろしくお願いします」
業界人っぽい責任者の一言から始まり、大勢の人がやってきた。
ドラマ撮影って本当大変なんだろう、
機材担当だけでも場所を貸す私たちの人数を超えていた。
しばらくして役者たちがくる。TVで見たことある顔、顔。
事務職の女の子たちは嬉しそうにしてる中、本命の主演女優はいない。
どうやら別の場所でインタビュー中らしい。本当大変だ。
やがて主演女優が登場。スタッフらが大勢で迎える。
まだ若い彼女に大の大人たちがお出迎え。
素人的には異様な光景も彼女は慣れた感じで
「お願いします」といいやってきた。
彼女は本当美人だった、TVや雑誌で何回も見たはずなのに実物は別格。
背が高く、スタイルも良く、美人。華があり本物だった。
その本物の彼女に「お疲れさんです」と声をかける野次馬。
お疲れでもそれに普通に対応。
ただ、最初のそれはたまたまなのか、それ以降スタッフ、
共演者以外のあいさつは基本スルーされ続けた。
ドラマ撮影のためにいくつか場所をあけた。
建物(といってもしょぼいものだが)を貸切、
この時間からこの時間まではこの場所は立ち入り禁止など。
だから実際終始みれるわけではなくむしろラッキーという感じだ。
それからは周囲のざわつきとは異なりいつもの感じが続いた。
しばらくたった時だった。今回貸切であけた場所の部屋に
資料を置き忘れたのを思い出した。
こっそり時間を見計らい取りに行こうと思い、向かった。
建物はTV関係者の警備がいた、
にもかかわらず関係者ということで何もなく入れた。
自分が想像してたのと違い、中は穏やかな空気で朝会った人も
「ご迷惑かけてます」と挨拶するほど。
役者の方もすれ違った、「お疲れ様です」と挨拶すると
向こうも「お疲れ様です」 何だ、全然普通なんだ、
偏見を持っていた自分が馬鹿らしくなった瞬間だった。
目的の部屋へあがる階段前に立入禁止の看板、
さっきまで空気を思ってか気にせず上がったわけだが
それが大きな間違い(笑)であった。
部屋は明かりがついていた。
そっと扉を開けて!すぐに戸を閉めすぐ近くのトイレに隠れた。
脈拍が一気に上がったのを忘れない、扉の中には後姿だが
上半身白のブラのみ、パンツを脱ごうとする女性の姿が見えた、
更衣室に使っているためあの看板があったわけだ。
にしてもこの階にはほかに誰もいない、
不用心ではあるがそれよりもヤバいと煩悩が同時に湧き上がっていた。
少しして部屋から女性が2人出てきた。
1人は初めてみる人、もう1人はあの国民的女優。
2人のうちの1人が先ほどのブラ姿のわけだが、正解はすぐに出ていた。
髪の色、長さがはっきりと違うので
ほんの一瞬の記憶とはいえ間違いようがなかった。
国民的女優だった。
しばらくしてから一気に悶々としはじめた。
あの女優、あの人の…、今振り返ると気持ち悪いがヤバかったと思う。
その後たまたますれ違った際挨拶してみたらスルー。
特定のスタッフ、共演者とは仲良さそうだが、
基本的には女王様みたいな立ち振る舞い。
でも美人、ドラマの衣装が脚を強調しているからか色気もすごいあった。
そんな人の…誰にも言わず、その日は悶々としたまま終わった。
その夜欲がどんどんわいてきた、もう1度見たい、もっと見たい。
そういうときほど知恵がわく、あの部屋の隣の部屋から覗ける穴がある。
もちろん向こうからも見えるが、1度しかいない人にはわからないだろう、
それを知っているのもごくわずかだし。
国民的女優がまたあの部屋を使うかわからない、
それに隣の部屋も誰か使ってるかもしれない、
それよりあの場所に今日みたいに入れるかわからない、
色んなことがあるのだがエロモード全開の時は
冷静ではいられなかったんだ。
翌日、既に撮影は行われてた模様、
立ち会ってた同僚の話だと5時からやってるらしい。
いつ寝てるのか、本当大変な仕事だ。夜もメインの役者たちは
日付が変わるくらいまで撮影していたらしい。
今は主演女優が出ないシーンをやってて、彼女ももうすぐ来るんだとか。
もう頭の中はエロしかなったと思う、仕事も手につかず、ただ時間が過ぎる。
女の子たちが通路「で○○(女優の名前)超可愛かったね、同い年とは思えない」
などと話していたので、来たのがわかった。
相も変わらず華があり、美人、ヒールも高いので
よりそのスタイルと美脚に目立ってた。
そして女王様スタイルも健在。
でもそれが絵になってるのもまた凄かった。
台本を手にし、スタッフと何やら話し終わったのち
昨日の場所に向かう模様。もう変態心MAXで先走り向かった。
今日もまた、関係者扱いされるてるのか普通に入れて
誰も何もいわない状況。
とはいえ不審な動きはできないので人目を気にしながら行こうとすると、
同じタイミングで主演女優も昨日いた女性と登場、
上手くずらしながら階段を上り、扉の鍵をあけた音を聞いて上へ。
昨日同様、他には何もなく、
恐る恐るあけた隣の部屋は扉があいてて通常の什器を置いているまま。
結局更衣室で使っている以外は何も使用されていない階だったわけだ。
もうあとは知らんと危険心かえりみず、
あの穴を探して腰をおろし、
野球観戦でしか使ったことのない双眼鏡で覗いてみる。
中はもう1人の女性が上着をラックにかけ、エアコンをつけ、
女優はカバンからペットボトルを取り出し飲み物を飲んでいた。
俺の心の中は「脱げ、脱いでくれ」だけだった(次回へ続く)