エリと初めて喋ったのは大学一年、英語の授業終わりだった。
入学してしばらく経ち
英語のクラス内では男女共に大きなグループが出来ていて
今度そのグループの人間が幹事となりクラスの飲み会を開く、
とのことで、その飲み会に参加するか?
とエリに聞かれたのが初めての会話だった。
何故俺にそんなことを聞いたかと言うと
俺はその大きなグループの人間達と挨拶と軽い会話はするが
完璧にそこに所属しているというわけではなく、
気の合う友人、仮にナオトとする。そのナオトと
後ろの席で授業を受けていたのだが
エリも俺と似た状況だったため聞いた、とのことだった。
「確かにこの人、女子の集団と話しはしてるけど席は後ろで一人だな」
なんてことを考えながら、
飲み会にはナオトが激しく行きたがっていたため
行くよと返事をすると、エリはわかった、と言って
女子の幹事に出席と伝えに行っていた。
飲み会は大学生らしくそこそこに盛り上がり、
俺もエリもクラス内での友人が増えた。
また飲み会をきっかけにエリともよく喋るようになり、
そして大学一年の終わり頃にエリの方から告白され
付き合うことになった。
スペック的なもの
エリ・・・気が強い、話してみると結構相手の痛いとことか
ズバズバ言ってきたりで人によっては苦手なタイプかもしれない
めんどくさがりでインドア派。
いわゆるツンデレっぽく、二人の時はツンは姿を消す。
外見は可愛いよりも綺麗って感じで少しつり目でキツい印象もある。
この頃の髪型は黒のロング。
身長も160と女子にしては高めで、スタイルよし。
一年浪人してて、年齢は俺の一つ上。
サークルには入ってない。
俺・・・普通だと思いたい。
中学高校と彼女がいたことはあったが、
周りから彼女可愛いとか言われることはなかったため、
その程度のレベルなんだろう。
中肉中背の身長174。
サークルは他学部の友人に誘われて
遊びサークルに所属していたがまったく行ってない
エリに言われたのだがネガティブ思考が強い。
エリに告白された時も、エリのことは好きだったが
こんな綺麗な子が多少喋るからって告白してくるわけがない、
いたずらだと思い一回断った。
断られたエリは
「ええ?なんでよ!?」と詰め寄ってきた
これでなんとなく二人の性格の感じは理解してもらえると思う。
エリが俺のこと好きになった理由は話しが面白かったからだって。
で、本題
大学では俺とナオトとエリとエリの友達のアキでよく一緒にいた。
ただ俺は他学部に友人が結構いて、そっち優先で動いていたため
基本的には俺を抜いた三人でよく過ごしていた。
そして二年生の後期のある日、四人で食堂で昼飯を食ってると
アキの彼氏であるタツヤが話しかけてきた。
タツヤはバレーボールサークルに所属していて、
俺は何度か顔を合わせたことはあったが先に書いた通り、
他の友人と飯を食うことが多かったので
エリとナオトと比べるとアキの彼氏であるタツヤとは
あまり仲良くはなかった。
しばらく談笑しているとナオトが
「そーいえばテツは?」とタツヤに聞いた。
初めて耳にする名前だったので俺はエリに小声で
「テツって誰?」と聞くと
「ああ、ユウ(俺)はいなかったから知らなかったね。
一年生でタツヤ君のサークルの後輩だよ。前に紹介された」
へぇー、なんて思ってたらタツヤが
「この後サークルの集まりあって食堂で待ち合わせしてるから
もうすぐ来ると思うよ」って言うわけ
で、すぐにそのテツが来た、テツの第一印象はデカい!だった
身長180後半はありそうで短髪のさわやかなスポーツマンって感じ
テツは後輩らしくタツヤにペコペコしながら
アキやナオトに挨拶していて、エリの方を見たときに俺に気づいた。
「あ、えっと……」
って俺のことを誰だろうって感じでテツが見てると
エリが俺の腕を掴みながら
「あ、これ私の彼氏。人見知りだから」
って紹介してくれた、
そしたらテツは驚きつつ、大きい声で
「あ!そうなんですか!初めまして!」って頭下げてきた
俺は苦手なタイプだななんて思いつつ
初めましてって返してその日は少し喋って終わった。
そしてその日を境にタツヤとテツがよく来るようになった。
六人のグループになったわけだが
俺は相変わらず他の友人との関係もあったので
同い年のタツヤはともかく後輩のテツとはあまり会話をしなかった。
会う回数が少ないというのもあるが、
何よりテツはエリに対しての好きアピールがひどかった。
タツヤがいるときは控えめなんだが
タツヤがいないと、俺がいてもお構いなしで
「エリさん、綺麗ですよね」
「今度バレーの試合応援来てくださいよ!俺点バシバシ決めますから」
とか平気で言う、要するに俺は舐められてたわけだ。
だから俺も気分悪くて昼飯に行く回数もどんどん減ってきた。
ただテツに対するエリの反応は
「はいはい」って感じで軽くあしらっていて、
その度テツは不満そうな表情してたな。
エリは一人暮らしだったんだけど、家で二人の時は
「テツ君のこと嫌いでしょ」とか
「年下がふざけて言ってるだけなんだから気にしないでよ」
と言っていて、俺もエリのことは好きで信用していたし
なによりテツはよく校内でも女連れて歩いたり
とチャラいイメージが強く、
エリもそれをテツ本人に言ってたりしたので
そこまで心配はしていなかった。
アキも心配してくれてよく俺に
「エリ、テツ君のせいでユウに嫌な思いさせてるかもって気にしてる。
私からタツヤに話してみようか?」って言ってくれたけど
さすがにそこまでは大丈夫、そんな気にしてないよ
ってアキの申し出は断ってた。
そして二年生の年の大晦日に飲み会をすることになった。(次回へ続く)