会社に数人いる女性陣の中で、同期の二人がいた。両方とも、かわいい。
一人は人当たりが良く、みんなの人気者。丁寧な喋り、物腰。身長は155ほどでかわいい。隠れ巨乳ではないかと言われる、十分な肉つき。
提出する書類や質問や相談はこちらへ集中した。
もう一人は、きれい系だけどイヤな人。性格がきつく笑わない、同じ失敗は指摘してくる、定時で挨拶もせず帰る、背は170ほどで貧乳。
対照的な二人だったけど、二人は仲がよかった。
以下、優しい方を、ナオさん。ツンデレは、ユカさんと呼ぶ。
俺は、二人より2年下。最初は特に関係なく過ごすが、やはり入社して数ヶ月経つと避けて通れない。
みんなユカさんに仕事を頼むと怖いので、ナオさんに頼んだり聞いたりしていた。
俺は外回りで会社に電話した時、ユカさんが出たら聞きたいことも聞けず、電話を切った。
体つきも、性格も足して二で割ればいいのにとみんなで噂していた。
俺も例に漏れず、いつもナオさんに書類や仕事を出していた。
ナオさんはみんなに優しく、自分に気があるかと勘違いさせてしまいそうな言動のある人だった。
2年経って後輩が増えてくる頃には、一通りの仕事は覚えており、二人の仕事が見えてきた。ここで気付いたのは、ユカさんの方が仕事は早いこと。
ナオさんも優秀なのだが、ユカさんの方がいい意味で手抜きだった。
性格がきついのは、自分の仕事が邪魔された時や、早くできない理由がその人にある時で、気分でなんでも噛み付いている訳ではなかった。
ナオさんは仕事が集中することを差し引いても、丁寧さのせいで少し遅かった。しかも、ユカさんはナオさんの溜まった分を引き受けていた。
俺はナオさんの仕事が集中して悪いので、間違いのない簡単なことならユカさんに頼むようになる。
それがきっかけで、仕事の多くをユカさんに頼むことになった。
でも、いつも会話は一言で終わるほど短い。
会話など全然したことないまま、会社の飲み会で隣りになった。
ユカさんはノリは悪いが、ナオさんと一緒なら付き合いはいい。
聞いてみると、それなりに楽しいらしいが、周りからみると全然楽しそうに見えなかった。ここで、少々接近。
一年前に俺が彼女と別れたことを聞かれたりした。
女性社員のプライベートは全く分からない。
ナオさんは買い物へ行った話や、週末にどこかいったりするとお土産を買ってきたりするが、ユカさんは謎だった。
少し聞いても、うまく誤魔化されたり、不機嫌になったりした。
ナオさんに話したら、少し違うことを言われた。
「ユカは不機嫌になったように見えるのは、なんて答えればいいか分からないからだよ」
このセリフは記憶にあるが、なんでナオさんと話したかとか、飲み会の後半は覚えてない。その後、仕事でも一言くらいは話すようになる。
ある日、外から帰ってきた俺と、郵便物を出しに行ったユカさんが一階で一緒になった。
二人でエレベーターを待つ。
「俺クン、さっきのスーツの人見てたよね?」
ユカさんは一階のホールにいた、身長の低いロリ巨乳スーツの女子に俺の目がいったのを見逃してはいない。
「いやぁ…」 誤魔化していると、エレベーターが来る。
一緒に乗り、4階の事務所を目指す。
「やっぱり俺クンも、巨乳のナオみたい子が好みなの?」
珍しく笑いながら聞いてくる。
「そんなことはないですよ」
実際、胸の大きさにこだわりはない。
「ふーん」
ユカさんはエレベーターの行き先ボタンの前を陣取り、後ろ向きになりながら答えた。何故か3階で止まり、ユカさんは降りる。
「私、用事あるので、ここで降ります」
いつもの冷たい表情に早口で一気に喋る。
3階には他のテナントしか入っておらず、うちの会社として用事があるとは思えない。
呆気にとられる俺を置いて、ユカさんは降りる直前に、内側から「閉」ボタンを押して、すばやく扉を閉めた。
ユカさんの去った後、行き先ボタンを見ると4階のランプが点いていない。
エレベーターは、俺を何もない屋上階まで容赦なく運んだ。
事務所へ戻ると、ユカさんはいつも通りだった。
東海の方に行った時、みんなの分とは別にユカさんだけお土産を用意した。
タイミングを見計らい、誰もいない廊下で真夜中のうなぎパイ(5本入り)を渡したら、珍しくびっくりしてしてる顔を見せてくれた。
隠そうとして制服のベストの胸の辺りに入れる。
「ナオみたいに巨乳になった?」
嬉しそうに笑いを取ろうとするが、真夜中のうなぎパイの意味はどうやら理解していなかった。
後日、外周りに行こうと事務所の外へ出ると、非常階段の方へ連れて行かれた。
「メールアドレス教えてよ」
断れないくらいの強気で言われた。
しばらくしてきたメール。
『やったー、俺クンとメル友だ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。』
メールでは全然違うテンションに驚いた。
メールするようになって一気に距離が縮まった。
ユカさんは自分の体に全然自信ないようだった。俺は細い肢体の持ち主でスタイルは良いと思っているが、本人は脚もお尻も形が悪いと言ってきかない。
『胸は大きさではなく感度ですよ』
このメールの返事は返って来なかった。
後から聞いたら俺は会社でエロい素振り見せないし、一番縁遠いと思っていたらしい。
メールするようになった週末の金曜日。
『飲んだから送って(`Д´)』
俺をアシに使うユカさん。しかも、着いたらなぜか怒ってる。ナオさんと飲んだと言っていた。俺は普通に送り届けた。なぜか最後まで不機嫌。
翌日の土曜日、俺は休日担当で出社だった。
誰もいない事務所で暇な電話番のような仕事。
夏の前で、暑い日だった。
ユカさんからくるメールに、昨日の謝罪が入っていた。謝るなんて珍しい。
こちらは暇な勤務であることを連絡しておいた。
夕方前に、ユカさんが会社にやって来た。
どうも、月曜までの仕事があるようだ。
「大変ですね」
「俺クンがいつも仕事を頼んでくるからだよ」
俺は一応負担にならないように仕事を頼むので、ユカさんの邪魔してないはずだ。イヤミかな。
いつもの冷たい感じになっていた。一息ついたのか、話し掛けられる。
「昨日はありがとう」
「昨日は、どうしたんですか?」
もともと、飲む予定ではなかったけどなんとなくナオさんと飲んだらしい。仕事は終わったようで、疲れたと言って肩揉まされた。
ユカさんは袖の短いワンピース。胸の辺りもゆるく、裾も短い。
休日の会社ということもあって、私服でもいつもの私服と全然違う。
椅子に座るユカさんを後ろから見ると、薄い胸元が見えそうで困る。
肩と首を揉む。一通りした後、バンザイするように手を上にさせて、背もたれにグッと体重を乗せるような姿勢を取らせた。
胸元から覗く、ブラとキャミ。見えそうで見えない。髪からするいい匂い。俺、ここで壊れてしまった。(次回へ続く)
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久しぶりに、先の展開に興味を湧かせる投稿に出会えました! 次回の投稿楽しみにしています♪。
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