俺は一浪して都内某私立大に入った。
俺の通った大学は結構お嬢様が多くて、田舎もん丸出しの俺は通うだけで気が引ける感じ。
たまたま同郷で同じ学科の1個上の先輩と知り合い、誘われるがまま合唱サークルに入った。合唱なんて中学の音楽の授業でしかしたことなかったけどさ。
そこで、あの子に会った。
大学での授業が始まったある日、新しい友人もできていない俺は一人でぽつーんと教室に座っていた。
「あれ、加藤くん(俺の仮名)」と突然話しかけられた。
それまでほとんど異性と会話すらしたことのない俺、それだけで緊張。
しかも、大学で声をかけてくる異性がいることにびっくりした。
「え、もしかして私のこと覚えてない?同じサークルの高本(仮名)です」
「ああ、ええと・・・」
「同じ学科で同じサークルだから、よろしくね。隣、座ってもいいかな?」
「あ、ああ・・・ええ、どうぞ・・・」
もう、なんじゃこりゃーという感じでほとんどパニックだった俺。それだけ異性経験なし。
身長は155くらい。色白でおっぱいは爆乳。
隣に座ったとき、こ、こんなに大きいおっぱいが隣にあるのは初めてだ!と思った。
Fカップはあったんじゃないかなあ。とにかく、サークルの男は高本さんがいないところではしょっちゅう高本さんのおっぱいの話してた。
かくいう俺も、授業で隣に座ったときに垣間見えるブラの色や、ローライズジーンズからのぞくパンツの色をチェックしていて、陰でその話をして盛り上がっていたが。
サークルの中では結構人気があって、「おまえ、高本さんのおっぱい間近にじっく見られてうらやましいな」 なんてよく言われてた。
夏にキャミにカーディガンはおって来たときなんか、カーディガンを前でとめても隠しきれなくて、白い谷間がかなり露出していた。悪い!とは思いつつ、家でヌキました。
明るく、はきはきしていて性格は超いい。
お父さんは誰でも知っている某有名企業の役員。
山手線内の高層マンションに住んでいるお嬢様。
出身校も誰もが知っている某お嬢様女子高。そんな子。
服装は、お嬢様らしくいつも清楚な感じ。
上京早々そんな子と知り合えて有頂天な俺。
というか、すぐに好きになっていた。
携帯の番号を向こうから教えてきてくれた時は、うれしくて帰ってからアパートで絶叫した
しかし、俺はいかにも田舎もん丸出しだし、金はないし、付き合うなんて夢のまた夢。告白なんか絶対無理だった。
ただ、毎日授業やサークルで会えて話せるだけで幸せだった。
2年の春がやってくるまでは。
1年の終わりころから高本さんは福田(仮名)というサークルの同級生と急速に仲良くなっていった。
福田は、イケメン長身で性格はクール。女にモテて当然という男だった。
サークルに入って早々、同級生と付き合ったが夏休みにはサークルの先輩に乗り換え、その先輩とも冬の終わりぐらいに別れたという話だった。
福田をめぐって、その後輩と先輩とで修羅場があったらしいが、そういうのに疎い俺は当時あまりそれがわからなかった。
後で聞いて「そりゃ、すげえ!!」と思った。
2年生になったある日の授業、いつものように高本さんは俺の隣に座った。
なんかもじもじしている高本さんはやおら話し出した。
「あのね、私ね、福田君と付き合い始めたんだ・・・」
「ああ、そ、そう?なんとなくそうかなーって」
「あ?やっぱり?わかっちゃってた?恥ずかしいなあ・・・・」
「福田はねー、イケメンでクールで頭もいいし、最高だよね!」
「え、え、そんな、全然!!」
「それは福田に失礼だよー」
「そうだね、あはははは・・・みんなに冷やかされる前に言っておこうと思って」
「自分から言っても冷やかされると思うよ」
「そうだよねーあははははは」
1年がたち、俺は普通に高本さんと話せるようになってはいた。それで、俺は内心の動揺を抑え、平然を装うことができた。
しかし、俺はその日アパートに帰って、記憶がなくなるまで泣きながら酒を飲んだ。
次の日から、授業に出るのが、サークルに出るのが本当にきつかった。高本さんの笑顔は全く変わらないのに、笑顔が俺に刺さるんだよ。
ゴールデンウィークが過ぎたころ、サークルの親しい仲間内で飲み会があった。男ばかりで高本さんは当然いないし、福田はこのもさい集いにはこないw
同級生の中で福田と仲がいい時田(仮名)がホロ酔いになって話し始めた。
「そういや、福田の奴さあ、高本さんとやったらしいぜ!!」
この時が来るのは分かっていた。しかし、聞いた瞬間、胃の中のものが逆流してトイレに駆け込んだ。
トイレで吐きながら考えた。俺は話の続きが聞きたいのか、聞きたくないのか?
わからん!だったら、もう流れに委ねよう。俺は腹の中のものを全て便器にぶちまけると腹をくくって席に戻った。(次回へ続く)
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