前編は以下のとおり
妻と息子の家庭教師
妻と息子の家庭教師 続編

このしばらく前から、妻の携帯もチェックしてました。妻もあまり警戒してないのか、普段はロックなんてかけませんし、かけても簡単なキーロックくらいです。
ただ、これまでは、妻と彼は授業時間の変更や遅刻を伝えるなど、事務連絡にしか使っていないようでした。
GW明けのお出かけのあとですら、「今日はありがとうございます。次の授業は○曜日7時からでお願いします」といった味気ないものでしたし回数もほとんどありませんでした。
ですので、デートのお誘いに妻は昼間に電話でもかけるのかなと思いましたが、さっそく翌日メールを入れていたのは予想外でした。(くだらない挨拶などは省いてあります)
妻 「いつもご苦労さま。近いうちにお暇な日はありますか?」
彼 「曜日や時間によりますが、どうかしましたか?」
妻 「もし良かったら、また買い物に付き合ってもらいたいです」
彼 「なら、ユウキ君が休みの土日ですよね?今週末は両方とも・・・。何かまたユウキ君に問題集や資料集でも買うんですか?」
彼は5月のことが頭に残ってるようです。
妻 「ううん。いつも一生懸命教えてくれてるから、お礼に○○君の誕生日プレゼント買ってあげる。一緒に買い物行きませんか?」
彼 「え、そんな悪いですよ。別にプレゼントなんて。いつもおいしい料理とお酒出してくれてるだけでありがたいです」
買ってやるのは俺の金だろバカヤロー。と訂正したくなりましたが我慢して読み進めます。
妻 「あんなのは何でもないし、遠慮しないで。勝手に買って、変なので気に入ってもらえなかったらもったいないし、だから一緒に買い物行けたらなぁって思って」
彼 「本当にいいんですか?ではありがたく・・・。それって二人でってことですよね?」
妻 「そう。そのつもりで誘ったんだけど」
彼 「じゃあ、今週の金曜か来週の月曜がいいです。せっかくだから、朝から一日出掛けませんか?こないだ話してた映画見て、○○行きたい」
妻 「じゃあ、金曜。さっさと買い物して、ランチは○○にしようよ」
彼 「すごい楽しみ。じゃあ・・・」
そうして、時間や行く場所を決めています。他人行儀な敬語から、普段家でも話しているような友達感覚の文体になり、段々、二人がノッテきてるのがわかりました。
しまいには、「何着ていこうかな?○○君と並んで浮いちゃうのはやだし」とすでに付き合ってる二人のようです。
真面目そうに、ちょっと一歩引き気味に話を進めながらも、年上の家庭教師先の人妻相手にしているとは思えないほど、彼がぐいぐい攻めているようにも感じました。ちょっとこいつはまずいかもしれないと、初めて感じた瞬間でした。
あまり人目に付かない横浜に買い物に行くこと。午前10時に現地集合。ユウキにはちょっと遅くなると伝えて5時までいられること。彼のミニスカ要求は保留ながら、妻はスカートで行くことが決められました。
妻のメールに絵文字や顔文字も増えてきて、ハートマークまで使っています。ああ、あいつってこういうメールもするんだと、新たな発見でした。
ただ、最後まで、父の日のプレゼントの話題は出ませんでした。
妻には直接、彼との買い物を、いつ、どこへ行くのかは聞きませんでした。
たいてい、そういうことは終わってから「買って、プレゼントしといたわよ」で済まされてきましたし、妻が言わないのに、こちらから聞いたら負けみたいに感じたもので。事実、妻はまったく私に報告しませんでした。
そして、二人の初めてのデート当日です。仕事がありますし、残念ながら、デートを尾行するわけにはいきませんでした。妻のバッグにレコーダーをと思いましたが、さすがにばれるので無理でした。
絶対ばれないような、本格盗聴できる機械があるなら教えて欲しいものです。
本当にその日は、生きた心地がしないというか、興奮で地に足がつかないというか、「今頃二人はランチか?」「そのあとどこに行くんだ?もしやホテル?」妄想で仕事も手に付かず、いやに長い1日でした。上司にも部下にも「体調悪そう」と心配されたほどです。
その日、帰宅すると当然妻はいて、息子とテレビを見てました。息子が寝てから妻から「今日の○○先生の誕生日プレゼント買っておいたわよ」と白々しい報告。
妻はとっくに風呂に入っていたので、入浴の隙に携帯を見ることもかなわず、家に仕掛けたレコーダーも特に怪しいところがなく、デート内容はわからずじまいで、翌日以降の携帯チェックに期待しました。
結局、翌々日、妻の入浴中に携帯を見ることができたのですが、幸いに二人のやり取りが消されずに残っていました。
彼 「今日は楽しかったです。ネクタイの方は次の授業の時にもらった時に初めて知ったフリをすればいいんだよね?」
妻 「そう。シャツの方は仕立てができたら自分で取りに行ってね」
彼 「物より、憧れの彩さんとデートできたほうが最高のプレゼントだよ」
妻 「おばさん相手に何言ってるの」
彼 「でも、手つないで歩いてても、違和感無かったでしょう?」
妻 「本当はすごい恥ずかしかったんだよ」
彼 「恥ずかしいのは初めてだからだよ。慣れれば大丈夫。今度から送りの車の中ではずっと彩さんの手握るんだ」
妻 「○○君の手って、すごい大きいし、やわらかいね」
彼 「ドキドキした?」
妻 「男の人と手をつないで歩くのも久しぶりだったしね」
彼 「まだ、こんなにきれいで若いのにもったいない」
妻 「だからおばさんだって。そういう話は若い、同じ大学生の彼女としなよ」
彼 「彼女なんていないし、彩さんは若くてきれいだし、俺は嘘は言わないよ。素直じゃないな」
妻 「彼女いないは嘘くさいけど、きれいって言われて悪い気はしないよ。ありがとう」
・・・・
なんというか、いろいろとショックでした。ワイシャツかネクタイって言ったのに、両方買ってやるなんて… いや、それはどうでもいいんです。
まだ、初めて手をつなぐ段階だったのかと安心もしましたし、妻が車で送る際に密室で二人きりになる可能性があることに気づきもしました。
そういえば、雨の日にそんなこと言ってたなぁ。今度からは車にもレコーダーを仕掛けなければなりません。そして、何より、彼にものすごい違和感を感じました。(次回へ続く)